nanbyo.me-難病関連情報

指定難病受給者証の手続きから、活用まで

指定難病の制度の概要について

こちらのページでは、指定難病の制度の概要について、解説します。nanbyo.meが対象としている、「指定難病」について、どのようなものなのかを解説したいと思います。なお、歴史的な経緯などについては、また別のページにて解説します。

難病の定義

国において、難病の定義は、1972年10月に制定された「難病対策要綱」にはじまりがあり、現在も変化する形ではありますが受け継がれています。
昔は、「特定疾患」と呼ばれておりましたが、その中で難病とは、
  • 原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病
  • 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担が大きい疾病
でありました。また、「特定疾患(特定疾患治療研究事業)」の対象の疾患はさらに、
  • 公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患
という条件が付いていました。
現在の、「難病法」(難病の患者に対する医療等に関する法律)では、難病(指定難病)の定義としては、次のようにされています。
    <難病の4要件>
  • 発病の機構が明らかでなく
  • 治療方法が確立していない
  • 希少な疾患であって
  • 長期の療養を必要とするもの
とされており、さらに、国の医療費補助等が受けられる(「特定医療費(指定難病)医療受給者証」が発行される)、「指定難病」としては、
    <指定難病の追加2要件>
  • 患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと
  • 客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
という、要件が2つ加わっています(さらに、受給するためには、客観的な診断基準で一定以上の重症度分類を満たす必要があります)。

指定難病の疾患数は?

従来の特定疾患(特定疾患治療研究事業)から、指定難病の制度が策定されたのが平成27年1月からで、それまでの特定疾患は56疾患であったところ、まずは第一弾として、平成27年1月から110疾患が、そして平成27年5月から第二弾として306疾患となり、平成27年7月から306疾患で指定難病の制度はスタートしました。その後、平成30年現在では331疾患が、そして、令和2年2月現在では333疾患が指定されています。

難病法の意義は?

難病法が成立した背景については、難病関連の歴史編のページをご覧頂くとしまして、難病法では、医療提供体制・人材育成・調査研究・療養生活支援および医療福祉サービス・就労支援に関する施策など、幅広い支援を安定的に実施することを基本方針としています。(また、障害者総合支援法で、障害福祉サービスも受けられるようになりました。)
  • 難病法 基本方針(難病法第4条の2)
    1. 難病の患者に対する医療等の推進の基本的な方向
    2. 難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項
    3. 難病の患者に対する医療に関する人材の育成に関する事項
    4. 難病に関する調査及び研究に関する事項
    5. 難病の患者に対する医療のための医薬品及び医療機器に関する研究開発の推進に関する事項
    6. 難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項
    7. 難病の患者に対する医療等と難病の患者に対する福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項
    8. その他難病の患者に対する医療等の推進に関する重要事項

診断・治療

難病法では、「難病指定医」「協力難病指定医」が都道府県によって指定され、難病の医療費助成を受ける(指定難病受給者証を受けとる)ための手続きに必要な診断書(臨床調査個人票)は、「難病指定医」が作成し、診断後の治療や認定の更新に必要な診断書の作成については、難病指定医のほか、「協力難病指定医」も行うことになった。
すなわち、最初の正確な診断や治療方針決定は、難病指定医によって行われ、その後の通院や治療は、協力難病指定医にかかり継続的な医療を受ける(もちろん、難病指定医にかかり続けることも可能)しくみとなった。
従来は医師であれば、特定疾患受給に関しての診断書を誰でも書くことが出来たが、新しい難病法の下では、都道府県により指定された医師のみが書けるかたちとなっているところが変化点である。